1985年に公開され、日本でも社会現象を巻き起こしたホラーコメディ映画「バタリアン」。
「オバタリアン」という流行語の元となったこの作品は、従来のゾンビ映画の常識を覆す革新的な設定と、個性豊かなゾンビキャラクターで多くの映画ファンを魅了しました。
本記事では、バタリアンのあらすじから衝撃的な結末まで、ネタバレを含めて詳しく解説します。
記事を読み終える頃には、この伝説的作品の魅力と恐怖を余すところなく理解できるでしょう。
目次
バタリアン ネタバレ前に知っておきたい基本情報
「バタリアン」は1985年にアメリカで製作されたホラーコメディ映画です。
原題は「The Return of the Living Dead」で、日本での配給時に東宝東和が「バタリアン」という邦題を付けました。
この作品は、ジョージ・A・ロメロ監督の名作「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」のパロディ作品として位置づけられており、コメディ要素を多分に含んでいるのが特徴です。
監督・脚本を手がけたのは、「エイリアン」の脚本で知られるダン・オバノン。
彼は本作で、従来のゾンビ映画とは一線を画す独創的な世界観を作り上げました。

バタリアン ネタバレ解説における製作背景
バタリアンは「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」で描かれた出来事が実際に起こったという設定で物語が始まります。
この設定により、既存のゾンビ映画の世界観を踏襲しながらも、全く新しいアプローチでゾンビ映画を再構築することに成功しています。
製作費は約400万ドルと低予算でしたが、アメリカでは1400万ドルを超える興行収入を記録し、大きな成功を収めました。
日本では1986年2月に公開され、独特のキャラクター設定とユニークな宣伝戦略により話題を呼びました。
バタリアン ネタバレあらすじ【起】- 運命の始まり
物語の舞台は、アメリカ・ケンタッキー州ルイビルにあるユニーダ医療会社。
新入社員のフレディ(トム・マシューズ)は、先輩社員のフランク(ジェームズ・カレン)から会社の業務について説明を受けていました。
この医療会社では、大学や医療機関向けに解剖実習用の人体標本や動物の死体を保管・供給する業務を行っていたのです。
仕事に慣れてきたフレディは、好奇心から「今まで一番怖い経験は何か」とフランクに質問します。
すると、フランクは信じられない事実を明かしました。
実は、この会社の地下室には軍が開発した化学兵器「トライオキシン245」の実験で蘇った本物のゾンビが密封保管されているというのです。

バタリアン ネタバレにおける重要な設定
フランクの説明によると、1969年に軍の実験施設で事故が発生し、「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」の事件が実際に起こったとされています。
その際に使用された化学兵器「トライオキシン245」により蘇ったゾンビの一体が、軍の手違いでこの医療会社に運び込まれ、密封されて保管されていたのです。
半信半疑のフレディを説得するため、フランクは実際に地下室へ案内し、金属製のドラム缶を見せます。
この決断が、後に起こる惨劇の引き金となってしまうのです。
バタリアン ネタバレあらすじ【承】- 恐怖の始まり
地下室で、フランクはフレディにドラム缶を見せながら説明を続けます。
「このドラム缶の中に本物のゾンビが入っている」と言いながら、軽い気持ちでドラム缶を叩いてしまったフランク。
その瞬間、ドラム缶から緑色のガスが勢いよく噴出し、二人は強烈な臭いに包まれて気を失ってしまいます。
このガスこそが、死体をゾンビ化させる恐ろしい化学兵器「トライオキシン245」だったのです。
目を覚ました二人は、自分たちがとんでもない事態を引き起こしてしまったことに気づきます。
倉庫内に保管されていた解剖実習用の死体や動物の標本が、次々と蘇り始めたのです。

バタリアン ネタバレで注目すべきゾンビの特徴
本作のゾンビは、従来のゾンビ映画とは大きく異なる特徴を持っています。
まず、頭部を破壊しても完全に倒すことができない「不死身」の存在として描かれています。
さらに、会話能力を持ち、無線機を使って人間を罠に嵌めるなど、高い知能を保持しているのが特徴的です。
そして最も恐ろしいのは、彼らが人間の「脳みそ」だけを狙って襲撃することです。
これらの設定により、バタリアンは既存のゾンビ映画の常識を完全に覆す革新的な作品となりました。
バタリアン ネタバレあらすじ【転】- 事態の拡大
慌てたフランクとフレディは、社長のバート(クルー・ギャラガー)に連絡を取ります。
事の重大さを理解したバートですが、会社が潰れることを恐れ、警察には連絡せずに3人だけで事態を収拾しようと決断します。
まず、蘇った死体を取り押さえることに成功した3人。
バートは友人のアーニー(ドン・カルファ)が経営する葬儀屋に協力を求め、秘密裏にゾンビを焼却処分することにしました。
しかし、この判断が更なる災いを呼ぶことになります。
焼却炉で燃やされたゾンビから上がった煙には、トライオキシン245の成分が含まれていたのです。

バタリアン ネタバレにおける連鎖反応
煙は雲となり、やがて雨となって地上に降り注ぎます。
この汚染された雨水が近くの墓地に染み込んだ結果、埋葬されていた大量の死体が一斉に蘇り始めました。
一方、フレディの就職祝いを兼ねて倉庫に遊びに来ていた恋人のティナ(ビバリー・ランドルフ)と友人たちは、この恐ろしい事態に巻き込まれることになります。
また、トライオキシン245のガスを直接吸い込んだフランクとフレディの体調も次第に悪化し、二人は生きながらにしてゾンビ化の症状を見せ始めます。
バタリアン ネタバレにおける個性的なゾンビキャラクター
バタリアンの大きな魅力の一つが、強烈な個性を持つゾンビキャラクターたちです。
日本公開時には、配給会社の東宝東和が独自の名前を付けて話題を呼びました。
タールマンは、コールタールに漬けられていたため全身が溶けかかった状態のゾンビです。
歯だけが異様に白く光っており、「脳みそ…脳みそ…」と呟きながら人間を襲います。
オバンバは、上半身だけの老女ゾンビで、「あたしオバンバ、あなたの脳味噌食べさせて〜」という台詞で有名になりました。
この台詞は日本のラジオCMでも使用され、大きな話題となりました。

バタリアン ネタバレで語られるゾンビの恐怖
これらのゾンビたちは単なる怪物ではなく、それぞれが明確な意志を持って行動します。
人間に対する憎悪や飢餓感を表現し、時には巧妙な罠を仕掛けて獲物をおびき寄せます。
特に印象的なのは、ゾンビが「痛みを消すために脳みそが欲しい」と説明するシーンです。
この設定により、ゾンビたちの行動に明確な動機が与えられ、より恐ろしい存在として描かれています。
バタリアン ネタバレあらすじ【結】- 衝撃の結末
事態の深刻さを理解したバートは、ドラム缶に記載されていた緊急連絡先に電話をかけます。
連絡を受けた軍の上層部は、事態の拡散を防ぐため、極秘の決断を下しました。
それは、ゾンビが発生した地域一帯を核ミサイルで攻撃し、完全に消し去るというものでした。
この時点で、フレディは完全にゾンビ化してしまい、仲間たちを襲い始めます。
生存者たちは必死に逃げ回りますが、次々とゾンビの餌食となってしまいます。
そして遂に、軍による核ミサイル攻撃が実行されました。

バタリアン ネタバレの真の恐怖 – 絶望的な結末
核ミサイルの爆発により、ゾンビも人間も全て消し炭となりました。
軍は「事態を収束させた」と安堵しますが、実はこれが新たな悲劇の始まりでした。
核爆発によって上空に舞い上がったトライオキシン245の成分は、再び雲となって雨として降り注いだのです。
つまり、問題は何も解決されておらず、むしろより広範囲に拡散してしまったということです。
映画は、この汚染された雨が降る中で終了し、事態が更に悪化することを暗示して幕を閉じます。
これにより、バタリアンは完全なバッドエンドとして、観客に強烈な印象を残す作品となりました。
バタリアン ネタバレ後に考察したい作品の意義
バタリアンは単なるホラーコメディ映画を超えて、様々な社会的メッセージを含んだ作品です。
軍事機密の隠蔽、企業の責任逃れ、そして最終的な核兵器の使用という流れは、現代社会の問題点を鋭く風刺しています。
また、従来のゾンビ映画では「ゾンビを倒して人類が勝利する」というパターンが多い中、本作は完全な敗北で終わるという斬新な結末を採用しました。

バタリアン ネタバレが示す現代への警鐘
化学兵器による環境汚染、責任回避のための隠蔽工作、そして最終的な武力による「解決」。
これらの要素は、現在でも世界各地で起こっている問題と重なります。
バタリアンは娯楽作品でありながら、同時に現代文明への警鐘を鳴らす社会派作品としての側面も持っているのです。
バタリアン ネタバレを通して見る映画の影響力
バタリアンは公開から40年近く経った現在でも、多くのファンに愛され続けています。
「オバタリアン」という言葉が日本の流行語となったことからも分かるように、この作品の文化的影響力は計り知れません。
また、後のゾンビ映画にも大きな影響を与え、「走るゾンビ」「知能を持つゾンビ」といった設定は多くの作品で採用されています。
2025年にはシリーズ最新作の公開も予定されており、バタリアンの世界は今なお拡大を続けています。

バタリアン ネタバレから学ぶホラー映画の魅力
バタリアンの成功は、ホラー映画におけるコメディ要素の重要性を示しています。
恐怖と笑いという相反する感情を巧みに組み合わせることで、観客により強い印象を与えることに成功しました。
また、個性的なキャラクター作りの重要性も示しており、タールマンやオバンバのような記憶に残るキャラクターは、作品の価値を大きく高めています。
この作品から学べるのは、単に観客を怖がらせるだけでなく、記憶に残る体験を提供することの重要性です。
まとめ:バタリアン ネタバレが教えてくれること
バタリアンは、一見するとB級ホラーコメディのように見えますが、実は非常に計算された優秀な作品です。
従来のゾンビ映画の常識を覆す設定、個性的なキャラクター、そして絶望的な結末まで、全てが観客に強烈な印象を与えるよう構成されています。
この作品のネタバレを通じて分かるのは、真に優れたホラー映画は恐怖だけでなく、社会的メッセージや人間ドラマも含んだ総合的な娯楽作品であるということです。
バタリアンが40年近く経った今でも愛され続けているのは、単なる一過性の話題作ではなく、時代を超えた普遍的な魅力を持った作品だからこそなのです。
恐怖と笑い、絶望と皮肉が絶妙に混ざり合ったこの傑作を、ぜひ多くの人に体験していただきたいと思います。